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5 月 1st 2008

第82条 著作権審議調停委員会の職権

著作権専属責任機関は著作権審議調停委員会を設置し、次の各号に掲げる業務を担当させるものとする。
(1) 第47条第4項に規定する使用報酬料率の審議。
(2) 著作権仲介団体と利用者の間で使用報酬料率について紛争が生じた場合の調停。
(3) 著作権又は製版権にかかる紛争の調停。
(4) その他著作権審議及び調停に関するコンサルティング。

前項第3号に定める紛争の調停は、それが刑事責任に及ぶものは親告罪事件に限定するものとする。

【解説】

本条は、著作権専属責任機関は著作権審議調停委員会を設置しこれに関連する審議、調停及びコンサルティングを行うことを規定し、その職権には次のものが含まれる。(1)第47条第4項に規定する教科書が著作を使用する際の法定使用報酬料率の審議(2)著作権仲介団体と利用者の間で使用報酬料率について紛争が生じた場合の調停(3)著作権又は製版権にかかる紛争の調停(4)その他著作権審議及び調停に関するコンサルティング。そのうち、著作権又は製版権に関する紛争の調停は、それが刑事責任に及ぶものは親告罪に限定される。なぜなら、非親告罪については、仮に調停に成功したとしても、告訴の取り下げにより刑事責任は免除されないからである。

本条第1項第1号後段にはもともと著作権仲介団体の使用報酬料率の審議も含まれていたが、これらの文言は2001年の改正時に削除された。ただし、著作権仲介団体条例の使用報酬料率に関する規定はその際に改正に伴い削除されなかったため、著作権専属責任機関が設置した著作権審議調停委員会は著作権仲介団体の使用報酬料率の審議を否定すべきであるとの論争を招いた。

国内著作権仲介団体はその強固な独占的地位に基づき、現行法上利用者に対して刑事訴追することができ、民事訴訟において司法機関は使用報酬額の決定等現実的な考慮が困難であり、立法政策上は肯定説が適切であるとされたが、行政権と立法権の分立という憲政基本原則に基づき、行政機関は本来、行政は法によらなければならないとの原理により立法機関の立法決定に従わなければならず、現行法制の規定の下、否定説の採用が妥当であるとされた。詳細な理由は次のとおりである。
(1) 2001年11月12日の改正の際に、第82条第1項第1号後段の著作権仲介団体が制定した使用報酬料率の審議が削除され、その改正理由において「著作権は私権であり、著作権の利用許諾及びその使用報酬の多寡は仲介団体と利用者間の私法関係であり、当事者双方の協議に基づき市場メカニズムの決定に委ねられるもの」であることが明らかにされ、改正前の旧法規定において著作権仲介団体の使用報酬料率は審議会を経て決定しなければならないとする第4項は重大な過ちであることが指摘された。当該条項の改正により、使用報酬料率は「当事者双方の協議により、市場メカニズムの決定に委ねられ」、主務官庁又は主務官庁が設置した如何なる委員会も審議することはできず、当該4項の改正理由は今日状況の変化により消滅することはなく、あらかじめ審議を行うことは法律改正の目的に明らかに反する。

(2) 前述の著作権法改正後、著作権仲介団体条例が著作権法改正に伴い改正されなかったことから、「主務官庁が仲介団体の許可の申請を審査する時」依然として当該条例第4条第3項の規定が適用され、「使用報酬料率は、著作権審議調停委員会に提出され審議される。」と考える者もいる。ただし、著作権法は著作権仲介団体条例制定の根拠となる上位規範であり、後の改正著作権法が著作権審議調停委員会による著作権仲介団体の使用報酬料率の審議に関する規定を削除しているからには、政策上行政機関が立法機関を説得できない以上、著作権法第82条第1項第1号の審議の根拠を回復するか、そうでなければ著作権仲介団体条例を速やかに改正し審議に関する規定を削除すべきであり、下位規範である著作権仲介団体条例の旧規定の適用を維持すべきではない。

(3) 著作権専属責任機関の法規会はかつて、この議題は行政手続法第114条第1項第3号の行政処分の瑕疵に関する規定に基づき補正することができると考えていた。ただし、行政手続法第114条第1項第3号の行政処分の瑕疵の補正に関する規定は、事務権限を有する行政機関が行政処分を行う際に、本来行政処分の決定に参与すべき委員会が参与しなかったため、その後、決議を行い再度、補正する場合をいい、行政機関が行った行政処分について本来事務権限を有さない場合は、当該行政処分は同法第111条第6号の規定により当然に無効とされ、補正の可能性はない。現行著作権法の規定によれば、著作権専属責任機関又は著作権審議調停委員会は著作権仲介団体の使用報酬料率に対して審議を行う権限がなく、前述の説明のように、第114条第1項第3号の行政処分の瑕疵の補正に関する規定の適用余地はない。

将来、立法政策上肯定説を採用する場合、前述の肯定説と2001年改正著作権法が削除した第82条第1項第1号後段の改正理由を統合するか、又は米国著作権法の立法例を参酌し条文を適切に改正し、まず著作権仲介団体と利用者団体に自由交渉の機会を与え、一定期間内に合意に至らなかった場合、著作権審議調停委員会により審議を行い審議の結果を公開し、それでもなお一定期間内にて当事者双方が合意に達しなかった場合には、著作権専属責任機関は審議の結論を参考にし法律により授権された職責に基づき費用料率を決定するものとすれば、「私権合意」「市場メカニズム」の運用を十分に尊重するだけでなく、著作権専属責任機関による専断的な関与であるとの指摘を受けることもなく、円滑な著作の利用に資することになるのではなかろうか。

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