第30条から第34条に定める存続期間は、当該期間が満了する年の末日をもって期間の終了とする。
継続的又は逐次公開発表される著作について、公開発表日を基準として著作財産権の存続期間を計算する場合に、毎回公開発表される部分が独立した著作となるものにあっては、著作財産権の存続期間はおのおのの公開発表日から起算する。公開発表された部分が独立の著作とならないものにあっては、独立した著作になった時の公開発表日から起算する。
前項の場合に、続編部分が前回の公開発表の日から3年以内に公開発表されなかった場合はその著作財産権の存続期間は前回の公開発表日から起算する。

【解説】

期間終了の計算について、民法第121条は「最終年の起算日の前日を期間の末日」とする旨規定しているが、本条は特に著作財産権の存続期間を「当該期間が満了する年の末日をもって期間の終了とする」と規定している。このように規定した主要な理由は、著作の公開発表日又は著作者の死亡日等著作財産権の存続期間の起算点を確定することは困難であるが事実の発生した年はそれに比べれば容易に確定できることから、あらゆる著作に対して一律に「当該期間が満了する年の末日をもって期間の終了とする」ものとし、調査・証明上の困難又は紛争を回避した点にある。本条は、民法の特別規定として優先的に適用される。

継続的又は逐次公開発表される著作について、公開発表日を基準として著作財産権の存続期間を計算する場合に、例えば第32条の変名又は無名著作、第33条の法人を著作者とする著作、第34条の撮影、視聴覚、録音、コンピュータプログラム著作及び実演等のように、毎回公開発表される各部分が独立して一つの著作となる場合は、その著作財産権の存続期間は各公開発表日から起算され、毎回公開発表される各部分が独立して一つの著作とならない場合は、独立した著作になった時の公開発表日から起算される。そもそも継続的又は逐次公開発表される著作が独立した一つの著作になり得るか否かは作者の主観的意思及び計画に左右されるにすぎないが、ともあれ客観的な判断基準は存在し、最終的には法院により認定されることとなる。その他、継続部分が終始公表されず又は長期間経過後にやっと公表されるような場合もあるが、将来著作財産権の存続期間の起算点を確定することができない又は起算日を早期確定することができないという状況のまま放置されないよう、1日も早い公開発表を促すために、第3項において、続編部分が前回の公開発表の日から3年以内に公開発表されなかった場合はその著作財産権の存続期間は前回の公開発表の日から起算するものと規定した。