以下に掲げる場合には、コネクション・サービス・プロバイダは、そのユーザによる他人の著作権又は製版権侵害行為に対して賠償責任を負わない。

(1)その送信する情報が、ユーザの発動又は請求によるものである場合。
(2)情報の送信、転送、リンク又は蓄積が自動化技術によって行われ、且つコネクション・サービス・プロバイダが送信情報について如何なる選別又は修正をも行っていない場合。

【解説】

本条は、「コネクション・サービス・プロバイダ」がそのユーザの著作権又は製版権を侵害する行為に対して賠償責任を負わないために具備していなければならない要件を規定している。その条件は以下のとおりである。

(1)その送信する情報が、ユーザの発動又は請求によるものである場合。
(2)情報の送信、転送、リンク又は蓄積が自動化技術によって行われ、且つコネクション・サービス・プロバイダが送信情報について如何なる選別又は修正をも行っていない場合。

「コネクション・サービス・プロバイダ」が接続サービスだけを提供しているにすぎず、その送信情報がユーザの発動又は請求によるものであり、ISP自身がネット上にアップロード、送信するものではなく、且つ情報送信、転送、リンク又は蓄積は、いずれも自動化技術により行われ、且つコネクション・サービス・プロバイダが送信情報について如何なる選別又は修正をも行っていない場合には、当然、コネクション・サービス・プロバイダに対してそのユーザによる他人の著作権又は製版権侵害行為について賠償責任を負うよう要求することはできない。そのほか、「コネクション・サービス・プロバイダ」は接続サービスを提供するにすぎず、「ノーティス・アンド・テイクダウン」手続を行うことができないため、第90条の6第3号、第90条の7第3号及び第90条の8第3号のような「ノーティス・アンド・テイクダウン」手続の規定は存在しない。

「コネクション・サービス・プロバイダ」はまず第90条の4に定める4つの要件を満たした上でなければ、本条の免責規定を適用することはできない。

2011年2月23日 用語統一のため修正