共有の著作財産権は、著作財産権者全員の同意を得なければ行使することができない。各著作財産権者は、その他の共有著作財産権者の同意を得なければその持分を他人に譲渡又は他人のために質権を設定することができない。各著作財産権者は正当な理由なく同意を拒絶してはならない。
共有著作財産権者は、著作財産権者の中から代表者を選定し著作財産権を行使することができる。代表者の代表権に設けられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
前条第2項及び第3項の規定は、共有著作財産権について準用する。

【解説】

共有著作財産権の行使は、著作の利用に対する各著作財産権者のコントロールに影響を及ぼすことから、著作財産権者全員の同意を得なければならない。著作財産権の持分譲渡又は持分に質権を設定する場合には、前述同様に影響が及ぶことから、本条第1項は著作財産権者の全員の同意を要するものと規定した。しかし、著作財産権は究極的に財産権の一種であり、正当な理由なく同意を拒絶すればかえって著作の利用に害を及ぼすことから、条文後段において、その他の著作財産権者は正当な理由なく同意を拒絶してはならないものと規定した。いわゆる「正当な理由」とは、例えば、ライセンシーにかつて深刻な違約の前例があり許諾後約定した義務を履行しない可能性が非常に高く信用するに値しない、又は譲受人に海賊版に関する前科がありその共有著作財産権を重視しないことが予想される等の状況がある場合をいう。

著作財産権者の「同意」に関しては、事前又は事後の同意に限定されるものではなく、事前に契約によって同意を取りまとめておくこともできる。従って、共有著作財産権者間において事前契約により他の共有財産権者が共有著作財産権を行使する際に、事前に同意を得ることなく自由に行使することができる旨約定することは、当該条文の立法目的に反しない。

共有著作財産権者が著作財産権を行使する際に、もし共有者全員に対して一人一人同意を得なければならないのであれば、著作の利用において常に不便が生ずる。そこで本条第2項は、著作財産権者の中から代表者を選定し著作権者全員を代表して権利を行使することを認めた。この代表者は必ず共有の著作財産権者の中から選定しなければならないが、定員の制限はない。ただし、代表者を極端に多く選定すれば、代表者を選定した実益に乏しくなるだろう。また、代表者の代表権に設けられた制限については善意の第三者に対抗することができないが、代表者の権利に制限が設けられている旨公示がある場合、例えば、著作財産権者のうちある特定の代表者が出版に関する事項の交渉に当たり、その他の事項について当該代表者は同意する権利を有せず著作財産権者全員の同意を得なければならないと書籍上に明記するような場合は、当該明示により如何なる者も善意の第三者であると主張することはできず、当該代表者においてなされた映画化の許諾を承認するよう請求することはできない。

共有著作財産権者の持分放棄又はその死亡後相続人がない又はその法人解散後に承継者がない場合の著作財産権の行使及び著作の利用に関しても、共同著作者が直面する難題と同様の問題が生ずる。本条第3項は前条第2項及び第3項の規定を準用し、「共有財産権者が放棄した持分」又は「共有著作財産権者の死亡後、相続人がない又は法人解散後に承継者がない場合」については、「その持分はその他の共有著作財産権者によりその持分の割合に基づき分配する」ものと規定した。

本条にいう「著作財産権の行使」には、自ら著作を利用すること、他人に著作の利用を許諾すること、著作財産権の譲渡又は著作財産権を目的とした質権設定等が含まれる。共有著作財産権者がその他の共有著作財産権者の同意を得ず、自ら当該著作を利用しても、その他の共有著作財産権者の著作財産権侵害に該当しない。それは、その持分が全体著作の中に抽象的に存在し、個別に分離することができないことから、比較的大きな自己の利用空間を与えるべきであるからである。第37条第4項の独占的許諾において、独占的許諾のライセンシーは許諾された範囲内において、著作財産権者の地位を以て権利を行使することができ、反対に著作財産権者は許諾した範囲内において著作財産権を行使することができないのであるが、あえて行使しても違約となるだけで、自己の著作財産権侵害には該当しない。比較してみると、共有著作財産権者は本条において著作財産権者の身分に基づき単純に自ら使用しているにすぎず、その他の著作財産権者からしてみれば、影響は非常に少ないことから、その他の共有著作財産権者の著作財産権侵害であると認定すべきではない。従って、第6章及び第7章の規定は適用されない。然るに、共有著作財産権の各著作財産権者は、当該著作財産権に対して共有関係が存在する以上、その他の著作財産権者は民法に照らして直接使用した著作財産権者に対して、その持分に基づき共有権侵害の損害賠償を請求することができる。

2009年5月22日原文修正に伴い訳文修正
2009年6月17日原文修正に伴い訳文修正