第44条から第63条及び第65条の規定は、著作者の著作者人格権に対して影響を及ぼさない。

【解説】

第44条から第63条及び第65条の規定は著作財産権に対する制限であることから、本条においてこれらの規定は著作者の著作者人格権に対して影響を及ぼさないと特別に規定した。従って、例えば、任意に未公表著作を公表してはならない、著作者の氏名を明示しなければならない、不当に内容を削除・改ざんしてはならない等、適正な利用においては依然として著作者人格権の保護に留意しなければならないが、第44条、第45条、第48条、第49条及び第65条の規定に基づく適正な利用においては、未公表著作が公表される可能性がある。本条の規定は、適正な利用が著作財産権の制限である旨強調するにとどまり、場合によっては適正な利用が著作者の著作者人格権に対して影響を及ぼすことがあり得る。