政治又は宗教上の公開演説、裁判手続及び中央又は地方官公庁の公開陳述は、如何なる者もこれを利用することができる。ただし、特定の者の演説又は陳述を専ら編集して編集著作とする場合には、著作財産権者の同意を得なければならない。
【解説】
政治又は宗教上の公開演説は、理念を伝達し公衆を説得するためのものであり、裁判手続及び中央又は地方官公庁の公開陳述は訴訟の攻防又は公共政策の説明であることから、公衆に伝達するという目的の達成のために如何なる者もあらゆる方法によりこれを利用することができる。民衆の知る権利を保障するために、本条は如何なる者もこれらの創作成果を利用することができると規定している。従って、政党の主席又は宗教指導者の公開演説、原告及び被告又は弁護士の裁判所の審理手続における攻撃・防御の陳述及び政府機関主催の公聴会における人民の発言については、如何なる者も自由に利用することができる。上述の創作の利用について、専ら特定の演説又は陳述を編集して編集著作とする場合には、公衆に対する単純な伝達ではなく、また民衆の知る権利に対する基本的な保障の域を超えていることから自由に利用することはできず、著作財産権者の同意を得なければならないと規定している。
コメントは受け付けていません。