法院は著作権訴訟事件を処理するために、専門法廷を設立し又は専門法官を指定し処理に当たらせることができる。
著作権訴訟事件は、法院が判決書の正本1部を著作権専属責任機関に送付しなければならない。
【解説】
本条は、著作権訴訟の専門法廷の設置及び著作権専属責任機関へ関連判決書を送付することに対して法的根拠を設けたものである。
著作権訴訟事件は極めて専門的であり、司法機関の専門知識を有する法官にこれらの事件の審理を担当させるために、第1項は、法院に専門法廷を設置又は専門法官を指定し著作権訴訟事件を担当させることができる旨規定している。過去、第一審及び二審裁判においてすでに知的財産法廷又は専門部が設置され、専門的に著作権を内包する知的財産権訴訟の審理を担当していた。
2008年1月に立法を終えた「知的財産法院条例」及び「知的財産権案件審理法」は、2008年7月より正式に施行された。司法院はさらに専門性を追求した知的財産法院を正式に設立し、著作権を含む知的財産権関連事件の審理を行っている。
第2項は、司法機関が著作権訴訟事件の判決を言い渡した後、その判決書の正本1部を著作権専属責任機関に送付しなければならないことを要求している。かつて、裁判は公開で行われるものの、判決書は関連当事者に送達されるほかは各界には公開されず、一般人は司法院内部の非公式のルートを通じて又は公的機関が公文書を通じて正式に原判決機関から判決内容を取得するしかないというように、情報がほとんど公開されておらず、外部から取得することは困難であった。1998年1月の改正著作権法は本条第2項を新設し、著作権専属責任機関に司法機関による著作権事件の判決状況を把握させ、著作権行政事務の執行又は関連政策と法案の研究、提議の参考とするようにした。しかしながら、司法院は1999年から所属する各級法院に対し、法により公開が許されない場合を除き、すべて判決書を法院ネットのウェブサイト(www.judicial.gov.tw)を通じて対外的に公開し検索に供することを要求したため、事実上本項の規定はすでに存在意義を喪失している。
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