著作の原作品若しくはその発行後の複製物において又は著作の公開発表の際に、通常の方法により表示された著作者の本名又は公衆に周知されている変名は、当該著作の著作者と推定する。
前項の規定は、著作発行日、場所及び著作財産権者の推定について準用する。
【解説】
著作権は登録・登記制度がないことから、どのように自らが著作の権利関係者であることを証明したらよいのだろうか?最も簡単な方法は「権利管理情報」を表示することであり、また、著作の原作品若しくはその発行後の複製物において又は著作を公表する際に、通常の方法により著作者の本名又は公衆に周知されている変名、著作発行日、場所及び著作財産権者を表示することである。著作権法は、真正なものであると推定する効果を付与し、積極的な証拠があれば推定を覆すことが可能であるが、反証がなければ法によりその記載は真正なものと推定される。著作権者は著作権表示をするようできる限り努め、自らの権益保護の根拠とする理由がここにある。事実上、これらの表示には2つのメリットがある。1つは、これは著作権法の保護を受ける著作であることを知らなかったとの利用者の弁解は認められず、著作権侵害訴訟において被告の故意による不法行為が容易に成立することである。2つ目は、著作権者が連絡方法手段を明記したからには、権利者と連絡が取れなかったため無断で使用したとの利用者の弁解は認められないということである。
また、本条の表示については、第3条第1項第17号の「権利管理情報」の保護を参照し、電子化された著作複製物上の「電子化権利管理情報」は完全な法律保護を受けることができるのはいうまでもない。
コメントは受け付けていません。