著作者は、他人が歪曲、分割、改ざん又はその他の方法によりその著作内容、形式若しくは題号を改変し、名誉を害することを禁止する権利を享有する。

【解説】

本条は、著作者の「不当改変禁止権」を規定している。著作者は、その著作に対し、その内容、形式又は題号の完全性を保持する権利を有する。1992年旧著作権法第17条の旧規定は「著作者は、その著作内容、形式及び題号に対して同一性を保持する権利を有する」として、著作者の同意を得ず、著作内容、形式又は題号に対する如何なる改変もしてはならないとし、一般的にこれを「同一性保持権」と称していた。しかし、この規定は、経済商工業が発展した今日において著作を利用する際甚だ不便であり、著作利用時の取るに足りない改変ですら著作者人格権の侵害に該当するおそれがあった。現行法は、現実に即して若干修正を加え、その改変が著作者の名誉を害するおそれがある場合に限り、即ち著作の内容、形式又は題号に不当な改変が生じた場合にのみ、著作者はそれを禁止する権利を有するものとした。

「不当改変禁止権」は、著作財産権の行使及び利用に関係が及ぶ可能性があり、たとえ著作に対して適法に「翻案」を行ったとしても、その翻案の結果として、その著作内容、形式若しくは題号に対して歪曲、分割、改ざん又はその他の改変が生じ、著作者の名誉を害する場合は、依然として著作者の「不当改変禁止権」の侵害に該当する。

それでは、一体どのような状況が著作者の名誉を害するおそれがあるのだろうか?見解は多種多様であり、何らかの客観的な基準が存在するかもしれないが、異論があれば、最終的には法院の判決に委ねられる。ただし、著作の利用において重大な変動を伴う場合は、作者に参与させることにより、事後に著作者が任意に「不当改変禁止」を主張するリスクを回避することができる。