著作者は、未発行の美術著作又は撮影著作を公開展示する権利を専有する。

【解説】

 「公開展示権」は、未発行の美術著作又は撮影著作の著作者が享有する著作財産権であり、その他の種類の著作、発行済みの美術著作又は撮影著作の著作者にはこのような「公開展示権」は付与されていない。「公開展示権」及び著作者人格権である「公開発表権」の間には、若干関連性がある。「公開展示」は「公開発表」の一つの方法であり、著作者と著作財産権者が異なる場合、著作財産権者の「公開展示権」は著作者の「公開発表権」による制限を受けるが、第15条第2項第1号及び2号において、「著作者が未公表の著作の著作財産権を 他人に譲渡又は他人に利用許諾した場合において、著作財産権の行使又は利用により公開発表する場合」及び「著作者が未公表の美術著作又は撮影著作の原作品又はその複製物を他人に譲渡し、譲受人がその著作の原作品又は複製物を公開展示する場合」は、「著作の公開発表について著作者の同意があったものと推定」されると特に規定されている。著作者がその未公表の美術著作又は撮影著作の著作財産権又は著作原作品又はその複製物を他人に譲渡する際に、当該著作が公表されることを望まないのであれば、対外的な公開展示を禁止する旨特に明示することでこの「推定」を覆すことができる。この場合、譲受人は当該美術著作又は撮影著作の著作原作品又はその複製物を任意に「公開発表」することはできない。

 また、著作者のこの著作財産権は第57条第1項により制限を受け、未発行の美術著作又は撮影著作については、その著作原作品若しくは適法な複製物の所有者又はその同意を得た者は、当該著作の原作品又は適法な複製物を公開展示することができる。ただし、著作者が前述のように当該著作の原作品又は適法な複製物の所有権を譲渡する際に公開発表の禁止要請の明示を行った場合には、所有者は依然として公開展示することはできない。なぜなら、第57条は著作財産権に対する制限にすぎず、著作者人格権に対する制限ではないからである。