共同著作とは、2人以上の者が共同して完成させた著作であって、その各人の創作を分離して利用できないものをいう。

【解説】

大部分の著作は単独で完成させるが、多数の者の力が集結しなければ完成しない場合もある。ただし、2人以上の者が共同して完成させた著作がすべて共同著作に該当するとは限らない。主観的要件として著作者間において共同創作の合意があること、客観的要件として各著作者の創作を分離して利用できない場合に、初めて共同著作となる。3人が共同して論文一本を執筆した場合を想定すると、相互に幾度も修正し、最後にまとめ上げて一体となり、どの部分が誰によって完成されたのか区別できないような場合に共同著作となる。また、1人が序論を書き、1人が中心部分を書き、1人が結論を書いたが、個別にそれらの部分を分離・独立させることができないような場合にも、共同著作と認められる。
1曲の歌について、それぞれ別の者が作詞・作曲した場合に、作詞・作曲者をこの歌の共同著作者だと言ってもよいだろうか?歌詞と曲は別々に利用可能であるから、2つの著作であって共同著作ではない。学理上の「結合著作」であると解することができる。
2人が共同して作詞・作曲した場合に、1人が作曲し、その者とは別の者が作詞をしたのではなく、彼らが創作した歌詞が分離不可能である場合には共同著作となり、また曲も分離不可能である場合には共同著作となる。ただしこの場合、詞と曲は依然として2つの著作である。
共同著作と個人が独立して完成させた著作とでは、権利帰属と行使において非常に大きな相違点がある。これについては、第40条及び第41条において検討する。