著作者は、本法に別段の定めがある場合を除き、その著作を賃貸する権利を専有する。
実演家は、録音著作に複製された実演について、その著作を賃貸する権利を専有する。

【解説】

賃貸権の客体は「著作物品」であって「著作」ではない。賃貸権のポイントは実際の賃貸行為に限定されるものではなく、著作が固定されている物を「公衆の賃貸に供する」準備行為から始まる。同様に、実演家の賃貸権の客体もその実演が複製収録された「録音著作原作品又はその複製物」であり、録音著作に複製されている実演ではない。その賃貸権の対象範囲は、当該実演が複製された「録音著作原作品又はその複製物」を「公衆の賃貸に供する」準備行為に始まる。

「賃貸権」の侵害は、第92条の規定に基づき処罰されるが、第60条の規定により若干の制限を受ける。