第84条又は前条第1項に基づく請求の際に、権利侵害行為により製作された物又は主として侵害に供するために用いられた物について、廃棄除去又はその他必要な処置を請求することができる。

【解説】

本条は、被害者が侵害行為により製作された物又は主として侵害に供するために用いられた物に対する廃棄除去又はその他必要な処置の請求を規定している。著作権者又は製版権者は、その権利を侵害する者に対して侵害排除請求権のほか、侵害のおそれがある場合に侵害発生の防止を請求することができ、すでに発生した侵害については損害賠償を請求できるほか、侵害継続の拡大を防止するために本条の規定に基づき、法院に権利侵害行為により製作された物又は主として侵害に供するために用いられた物について、廃棄除去又はその他必要な処置を請求することができる。「侵害行為により製作された物」とは、海賊版製品をいい、「主として侵害に供するために用いられた物」とはディスク・バーナー、プレス、印刷機等主として著作権又は製版権侵害に供するために用いられた物をいう。「廃棄除去」とは、これらの物品を破壊し二度と使用できないようにすることをいい、「その他必要な処置」とは、侵害に使用することができなくなることと同等の効果が得られるものをいう。