第80条の1又は第80条の2の規定に違反し、著作権者に損害を与えた者は賠償責任を負う。数人が共同して違反した場合は、連帯賠償責任を負う。
第84条、第88条の1、第89条の1及び第90条の1の規定は、第80条の1又は第80条の2の規定に違反する者に準用する。

【解説】

第80条の1の権利管理情報保護条項及び第80条の2の技術的保護手段の保護条項は、著作者の著作権ではないが著作者の権利保護について重要な役割を果たし、違反者に対し第96条の1により処罰を科すほか、民事責任を負わせるために、本条は明文規定及び準用規定を特に設けた。

民事損害賠償は、「損害なければ賠償責任なし」の原則により、第1項は第80条の1の権利管理情報保護条項及び第80条の2の技術的保護手段の保護条項に違反し著作権者に損害を与えた者は賠償責任を負わなくてはならず、数人が共同して違反した場合は連帯賠償責任を負うものとし、著作権者は侵害者のいずれの者に対しても全部又は一部の賠償を請求することができる旨規定した。

第80条の1の権利管理情報保護条項及び第80条の2の技術的保護手段の保護条項に違反し著作権者に損害を与えた場合は、金銭上の損害賠償のほか、著作権者に第84条の「侵害排除請求権」及び「侵害防止請求権」、第88条の1の「侵害物の廃棄除去請求権」を与えている。これらの請求権もまた第89条の1の請求権の時効の制限を受け、同時に第90条の1の「国境措置」の規定を援用することができ、第2項において準用規定を設けている。